深ジワの助っ人 

ビタミンAは、内服してもほとんどが肝臓にまわってしまう成分ですが、肌に塗って経皮吸収させると「シワ」に効果があります。
「シワの美容液」のカテゴリーに入れようかと迷ったんですが、ビタミンAには独特の働きがあるので 分けました。

もともとアメリカで「ニキビ治療に使われていたビタミンA(レチノイド)」 が、シワを改善する効果に優れている事がわかり、一躍脚光を浴びました。

       

副作用の恐れもある活性の強いビタミンAは総称して「レチノイド」
体内に入ってからビタミンAになる刺激の少ないものは「β−カロテン(カロテン) 」、「アスタキサンチン(カロチノイド)」です。

ビタミンAの働きは主に「細胞分裂の正常化」、「活性酸素の除去」、「ターンオーバーの促進」です。

特にレチノイドは、ターンオーバーの促進がものすごいスピードで行なわれ、 角質上層の皮フが薄くなってポロポロと剥けますが、表皮細胞やそのモトとなる基底細胞に作用して表皮細胞間に保水力の高いヒアルロン酸が増え、真皮では線維芽細胞に働いてコラーゲンを増やし、ダマ状に変性したエラスチンのダマをけちらす作用もあるので、表皮がふっくらと厚みを持ち、「深ジワ」も消減するそうです。

「赤味」が出る副作用は極端に言うと「20代の表皮細胞に戻そうとする力」が「血管を拡張する」ので起こるそうです。す、すごい・・ ・。

日本では1970年代に飲用によって奇形児ができる、と否定されて以来、ずっと認可されていません。
(※これに関して、アメリカの皮フ医学のP・エライアス教授は、レチノインを皮フに塗っても表皮に存在する酵素が薬の成分を分解してしまう為、皮フよりも中へは浸透する心配はない、と言っています。 )

       

で、日本ではレチノインの効力の30分の1しかないと言われている「レチノ ール」だけが認可されています。
1993年に資生堂から「リバイタルリンク ルリフトエッセンス」が、Rocから「リンクル・ライト・エッセンス」、そ して1999年にエスティ・ローダーからピュアビタミンAである「ディミニ ッシュ」が発売され、ようやくこれを皮切りに、各ブランドから、おのおの個性のあるレチノールものが発売され、ブームとなりました。
この辺りから美容の謳いは「予防美容」ではなく、「効く美容」へと勢いづいたと思います。

レチノールはレチノインと違ってほとんどが表皮細胞にしか効かないけれど、 一部だけ真皮に届いてからレチノインになります。

ビタミンAはもともと脂溶性ゆえ、経皮吸収されやすく、肌細胞にはビタミンA類と結合して遺伝子の働きにスイッチを入れる受容体がもとから存在しているので、融合しやすいらし いです。

ただ、酸素や紫外線に非常に弱い為、どこのブランドも容器に工夫をこらしました。安易な容器に入ったビタミンAの場合、すでに効能は壊れている、と思った方が良いそうです。

肌に塗った場所も同じく、紫外線を浴びたら必要以上に焼けるのでUVケア必修です。

又、レチノールに関しては充分量を充分期間塗ってやっと効果が表れるそうです。最低でも6週間後にようやく目に見える変化が表れるらしいので、レチノ ールを謳った商品を使ってすぐに「しっとりした。」なんてのは、レチノール と一緒に配合されている他の保湿成分などが効いたのだと私は思います。

       

◎「レチノール」と表記されているものは活性型ビタミンAで基本的には夜のみの使用です。
これは、肌に浸透した後で、レチノイン酸に変化します。

◎「パルチミン酸レチノール」はビタミンA誘導体の一種。(別名「ビタミンAパミテート」「レチニールパルミテート」。)
これは、パルチミン酸を加えて、安定性を増した合成レチノール。
肌に塗ると、酵素エラスターゼによって分解されて、ピュアなレチノールへと変化。
これについては、配合技術が進歩しているので、いろんな製品に配合されています。

こちらは刺激のない穏やかな処方
で朝の使用も可能です。が、くれぐれもUV対策を忘れないように。

◎「酢酸レチノール」もビタミンA誘導体の一種。(別名「ビタミンAアセテート」「ビタミンA酢酸エステル」。)
酸しやすいレチノールを、酢酸で処理して安定性を増した構成レチノールや植物オイルを加えた物。
皮膚に浸透すると、必要に応じてレチノールに変化します。

       

※体内摂取にも有効なβ−カロテン                 
ちなみに・・・β−カロテンとは?
かれこれ35億年前に、暗い海中で 、光合成を行うために細胞内で誕生した物質。
その後、18億年前に、 β−カロテンを持った細胞を他の細胞が吸収して、β−カロテンをビタ ミンAに変化させる事で分裂が始まりました。

つまり、β−カロテンを 「プロビタミンA」として、ビタミンAを作る能力を全ての動物が受け継いだのです。
β−カロテンを食して体内に入ったら、まず、小腸に行って、小腸の粘膜から分泌されるβ−カロテンにだけ作用する開裂酵素により、通常β−カロテンの半分だけがビタミンAとなります。
そのビタミンAは肝臓に貯蔵され、血中を通って上皮細胞(肌や、胃の 粘膜、食道などの、最近やウイルスと戦うバリア)へ行き着き、上皮細胞の核内にあるジンクフィンガー(新陳代謝の際にDNAの情報をアミ ノ酸に指示する伝達物質)の元へ辿り付きますが、このジンクフィンガーは単独では働かず、ビタミンAがあってこそ、スイッチが入ります

ビタミンAなくして新陳代謝は計れない、と言っても過言ではないでし ょう。

また、残ったβ−カロテンは、肝臓を通過して表皮へと行きます。そこで、ビタミンCの1000倍、ビタミンEの100倍の抗酸化作用をし てくれます。
その抗酸化とは、紫外線から発生する、酸化作用の強い一 重項酸素という活性酸素を除去する役割りが強いので、肌の老化予防としては頼もしい成分です。
体内摂取するなら「β−カロテン」です。

植物界では「葉、花、果実、根」など、動物界では「血液、諸臓器、脂肪、卵黄」などに存在するカロテノイド色素の一種です。

「抗酸化作用」だけでなく、「細胞膜の損傷を防御」「皮膚代謝調節」「紫外線防御」の効果があります。